タクシーの1日あたりの上限走行距離は、法律で365kmと定められています。
では、介護福祉タクシーのドライバーは1日どのくらい走るのでしょうか?
私の場合、平均すると1日あたり70〜80kmほどです。
一般的なタクシードライバーの平均走行距離は約200kmと言われていますので、介護福祉タクシーはかなり短い距離しか走らないことが分かります。
走行距離が短くなる理由は、利用目的の違いにあります。
私が担当している多くのお客さまは、お住まいの地域にある病院への通院・退院・転院でご利用されるケースがほとんど。
そのため、長距離移動よりも近距離での送迎が中心になります。
実際、初乗り運賃距離内で完結するような短距離利用も少なくありません。
地方では、障害を抱えたり介護状態になってしまうと、目と鼻の先にある病院に通うことさえ困難になるという現実を知りました。
もちろん、ビジネス的には走行距離が長い方が利益は出やすいです。
福祉器具のレンタルも加われば一気に収益がでますが、私がアルバイトを始めてから、そういった「一発で稼げる案件」にはまだ出会ったことがありません。
現実的には、短距離利用が多いぶん件数をこなす必要があります。
ただ、件数をこなすとは言うものの、お客さまが病院に通う時間や自宅へ帰る時間は、大体似たような時間になりがちです。1台で件数をこなすことは難しいです。
また、暇な日は本当に静かです。
率直に言えば、稼ぎだけを考えるなら都市圏で一般タクシーを走らせた方が収入は安定するでしょう
それでも、介護福祉タクシーには「人の役に立っている実感」があります。
お金よりも、社会貢献に想いを持って働きたい方に向いている仕事だと思います。
